こんにちは。あいの里ブログチームのKです。
9月に入りましたが、まだまだ残暑厳しい日が続いております。とはいえ、あいの里周辺でも蝉の騒がしい鳴き声から、涼やかな虫の音色に代わってきております。季節の移り変わりを自然の音で実感できるのは、あいの里の素晴らしいところの一つではないかと思います。
さて、ただひたすら旅人兼食いしん坊の私による、全国グルメ記録垂れ流しブログ「故国のグルメ」。
今回はケアハウスのカフェイベントで使うお菓子を買いに行った、岡山県津山市の老舗和菓子屋をチョイスしました。
津山市は桜の名所でもある津山城跡鶴山公園や、ご当地メニューのホルモンうどんなどに代表される牛肉料理が有名な土地ですが、実は和菓子作りも盛んで、市内には数多くの和菓子屋が伝統的な和菓子を今でも製造・販売されています。
今回は、津山市出身の入居者様がおられるので、記憶に残っているような、昔からある和菓子を探しに来ました。
お目当ては「初雪(はつゆき)」という和菓子です。
初雪は、蒸してついたもち米に砂糖を混ぜて、薄く延ばして乾燥させた、非常にシンプルな米菓です。食べる際には火鉢などで軽く炙るか、油で揚げて食べる、いわゆるおかきのようなものだそうです。しかしその歴史は古く、江戸時代末期の文献には、江戸幕府に献上する品として「軽焼」という名で登場しています。また、鎌倉時代に隠岐へ流される前の後醍醐天皇に献上されたという伝承もある、津山市を代表する菓子のひとつでした。戦前には30軒以上の店が製造していましたが、時代の流れとともに店の数が減り、現在は1店舗のみとなっています。
そんな津山市伝統の「初雪」を製造・販売しているのが、明治初期創業の「武田待喜堂」。実に趣のある店構えです。
店内も創業当時の雰囲気を今に伝えているかのようです。
お目当ての「初雪」を発見!
購入の際にお店のご主人にお話を聞くことができました。昔はあちこちで初雪を作っていたが、徐々に数を減らしていって今ではうち1軒だけになってしまったそうです。本来は火鉢でゆっくり焼くのがおすすめですが、オーブントースターでも火力と時間に気を付ければ美味しく焼けます、とのこと。既に焼いた状態の初雪をいただきましたが、さくりとした歯触りの後は、ほんのり甘い味を残しながら口の中から消えていく、とても不思議な触感の米菓子でした。
通販もされているようなので、気になった方は「津山 初雪」でネット検索してみてください。