こんにちは。あいの里ブログチーム・法人事務局のKです。

さて、龍間地区深掘り企画「龍間をゆく」。今回は一回目に掲載いたしました「龍間の龍伝説」の続報をお届けいたします。

くもおこす 滝の尾寺の むらさめの あまねくてらす 甘露ならまし

龍間を舞台とした龍伝説では、今から約1300年前、大旱魃に苦しんでいた村人を救うために行基菩薩が権現の滝にて雨乞いの儀式を執り行ったところ、若い龍が現れて雨を降らせましたが、その代償として空から三つに裂かれた龍が落ちてきました。龍のおこないに心打たれた村人たちは、落ちた場所それぞれに寺を建立しました。それが龍間の龍光寺(龍頭寺)・龍間寺(龍腹寺)、そして四條畷の龍尾寺であると伝わっています。そして龍尾寺では十二年に一度、辰年のみに「龍の尾」と伝わる寺宝が開帳されます。今回はその「龍の尾」についての取材報告となります。

JR四条畷駅から徒歩で約三十分。四條畷神社の参道を進み、突き当りの四條畷神社を左に曲がって細い路地を抜けた先に「起雲山・龍尾寺」はありました。

訪問した際は紅葉がまだ残っており、頭上と足元が紅く染まりとてもきれいでした。住職曰く、今年はあまりきれいな紅葉ではなかったそうで、例年はもっときれいに色づくとのことです。

現在の龍尾寺は飯盛城の茶臼山砦があった場所に建っていますが、元々は500メートル程東にある観音山の上にあり、三好長慶公が飯盛城に拠った際の菩提寺という側面もあったそうです。元砦ということもあって、見晴らしは抜群です。

龍尾及び関連資料は本堂にて開帳されていました。今年は11月17日~12月15日の約一か月間のみの公開です。なお、本堂内は撮影禁止のため、ここからは実際に見た私の感想となります。

本堂に入り拝観料を払うと、記念に龍尾の写真が印刷された絵葉書をいただけました。これは嬉しい!

本堂内では正面に御本尊であられる「聖観世音菩薩」が祀られ、上の方には行基菩薩・達磨大師・弁財天の像が安置されていました。その他、大きな「龍」と書かれた一筆書きの書や涅槃図、龍が描かれた襖絵など様々なものが展示されていました。

その後、龍尾寺住職より寺の起源や伝説、展示資料について約一時間丁寧に解説していただきました。

「鎌倉時代に三浦大介なる方が病に侵され、龍尾寺にて祈願したところたちまち回復し、その後も長生きできた感謝を込め荘園を寄進された」

「阪神大震災にて本堂に被害が出てその後今の本堂に建て替えたが、その際に「裏菊」が刻印された瓦が見つかったが、なぜあるのかが不明のため大工さんから『畏れ多くて取付できない』と言われた(裏菊は皇室等しか使用できないため)」

など、興味深い話ばかりで思わず聞き入ってしまいました。

そして一番のお目当て、龍尾の登場です。ケースに入った龍尾は、とぐろを巻くように木の台座に巻き付いていました。色はくすんだ深緑色で見た感じ硬そうな印象を受けました。裂けた部分と思わしき場所は空洞になっていました。蛇の様な感じかなと思っていたのですが、円形の突起が並んだ表面はゴツゴツとした感じで、今まで見た生き物のどれにも当てはまらないと思いました。解説によると、ミイラ化しているが触ると弾力があるそうです。過去に何度か鑑定に出しているそうなのですが、「水生生物であること以外は不明」とのことでした。正体をはっきりさせたい気持ちと、謎のままでいてほしい気持ちがせめぎ合いました。

※頂いた絵葉書の写真を使わせていただいております

次の開帳は十二年後、2036年となります。敬信福祉会創立40周年と同じ年に再び会えるということは、果たして偶然なのか。それとも何かが結び付けようとしているのか…。

社務所で配布しているパンフレット